習志野の家では、土地探しからご一緒させてもらいました。
土地探しは、最も大切なパッシブデザインといっても過言ではありません。
パッシブデザインでは、土地柄や利便性、敷地面積や価格だけでなく、より広い視点で土地を捉えていきます。
例えば、
・冬の日差しをどのように敷地内へ導くか
・夏の西日の入り具合はどうか
・敷地内だけでなく隣地の庭や遠景の緑など、心地よさの拠り所となる魅力があるか
・隣地が今後どのように建て替わるか、日当たりや心地よい視界は将来に渡り担保出来るのか
・土地の安全性、湿気が溜まりやすい環境かどうか(古地図の土地の履歴・近隣の地盤調査データ・洪水ハザードマップなどをもとにします)
などを探っていき、建主とその情報を共有して土地を選んでいきます。
習志野の家では、建主の思いや予算が条件に合い、日当たりや土地の魅力も出せそうだと判断。
また、目に見えない安心も確認できたことから、無事、購入されることになりました。
敷地が決まったら、次は建物の配置の検討です。
(ここからは↓の模型写真を見ながら読んでください。)
敷地は旗竿状になっていて、隣家に囲まれ、唯一西側が抜けています。
敷地に対してそのまま平行に建物を建ててしまうと、西側以外の窓が隣家の窓や壁に向いてしまう。
隣家との視線を適度にずらし、抜け感を出し、緑の借景も楽しめるよう、敷地に対して建物を斜めに配置することになりました。
そうすることで、家族の滞在時間が最も長いキッチン(東側)から隣地の広い庭(西側)まで、奥行きの深い視界が実現します。それがこの家の魅力となりました。
また、ルーフテラス(南側)に面した吹抜けを建物の中心に設けることで、昼間も室内が明るさを保てる設計にしました。ここは太陽の高度・隣家の屋根も計算した上、冬でも1階の畳コーナー(北側)まで日差しがしっかり届くようにしています。
土地選び・建物の配置は、住み始めたあとの暮らしに直結する大きな検討事項です。
焦らず、しっかり「自分たちにちょうどよい」と思える選択を重ねた習志野の家。